名残の雪
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久保くんから告白された次の日。
果たしてあれが告白だったのかどうかさえ、よくわかっていなくて。
変に意識してるのは、わたしだけで。
前期初の委員会のあと、知恵の執拗なまでの詰問から解放されてホッとしたのも束の間。
『これめちゃくちゃうまい!食ってみ?』
なんらいつもと変わらない態度でわたしの前に、箱に入ったチョコレート菓子を差し出した。
その行為に呆気に取られているわたしが馬鹿みたい。
『何、浮かない顔してんだよ?』
って…。
あんたのせいだ!
そう言いたいのをグッと堪えて、あたしは目の前で顔を覗かせる久保くんを怪訝そうに見る。
わたしは早くも後悔していて、コイツが学級委員を辞めようが何しようが。
放っておけば良かった。
その結論に達するのに、さほど時間はかからなかった。