姫のような王子様[続]
目が。
どこか遠くを見ていて。
なんか切なそうだった。
そんな圭の顔は初めて見たからなんて話しかけようか
戸惑った。
「あ。兄貴♪」
圭は俺が見ていたのに気付いてないらしい。
なんかちょっとホッとしてたり。
「圭珍しいじゃん。こんな早くに帰ってくるの。」
圭は女子と何やってるか知らないけど、夜の10時くらいに帰ってくる。
そして今は夕方の6時。
全然早いじゃんか。
「女の子にドタキャンされちゃって(笑)」
笑ってた。
でも、その目はさっきと一緒の冷めた目。
「とりあえず、お前今日夕飯作るの手伝えよな?」
だって、いるからにはパシラなきゃ。
俺がそう言うと圭は子犬見たいに目を輝かせた。
さっきとは違う。
目に温もりが戻った。
「うんッ☆」
俺は時々思う。
なぜそんなに軽い化粧が濃い奴らなんかと付き合うのか。
やっぱり、母親に似たのか?
だとしたら、最悪だな。
母親が。
子供にあんな姿見せっから。
俺と圭は家に入り、荷物をお互いにおいて
順調に夕飯を作り、終わった。
圭は女子の事とか、俺の前では言わない。
めったに。
だから今日いた女子の話も話そうとしない。
圭のあの時の顔はなんか
1人で色々背負ってるって言うか。
良くない顔だったからな。
ちょっと、心配になった俺は風呂あがった後、圭の部屋に行ってみた。
部屋からは圭の好きなミュージシャンの曲が流れてる。
いつもとは違うバラード系。
でも、前にもいつもガンガンの曲聞いてるくせにたまにバラード聞いてる時が合った。
何を基準に変えてるんだ?