危険男子
「大丈夫?成瀬っち」
彪真くんが向かい側から聞いてきた。
「………あの、彪真くん?」
「なぁに?成瀬っち?」
「…その成瀬っちってなんでしょうか?」
あたし、成瀬っちなんて呼ばれたことありません。
特に彪真くんなんか、伊達に話したこともありません。
なのに突然あだ名っ!!
ちょっと内心驚いてたりする。
「だってなんて呼べばいいかわかんないからさー、とりあえず名字をもじってみました☆」
にっこり笑顔は眩しいんだけど、『もじってみました☆』なんて突然言われても、ちょっと困る。