危険男子
「これが俺の本性だから。まぁ学校では何かと便利だから偽ってるけど」
い、偽って……?!
なんか怖い響きだっ!!
「だからバラされると色々迷惑なんだよねー。どうしよっか?ひな?」
「ど、どうって言われてもっ」
あのっあのっ!!
だんだん顔が近づいてるんですけど!!
なんでですか!?
なんででしょうか!?
「彪ー。ひなちゃん困ってるー」
後ろから呑気に声をかける灯真くん。
って見てないでこの状況助けて欲しい。
いくら馬鹿なあたしでも、これが危険だってことくらいわかりますよっ!!
ちら、と灯真くんと梓真くんのほうを向くとぱちっと梓真くんと目が合った。
あ、梓真くんなら助けてくれるかもっ……。
一生懸命目を合わせ、梓真くんに助けを求める。
それに気が付いたのか、梓真くんは仏頂面からにっこり笑って
「彪」
と声をかけた。
や、やっと助かった。