危険男子
しばらくあたしは灯真くんと少し距離をおいて歩いていた。
学校まで歩いて行けるのはいいけど、これじゃ目立ち過ぎて満員電車に乗ったほうが気持ち的に楽な気がする………。
灯真くんは気にせず歩き、たまにあたしに話し掛けてくるが、ある意味あたしは迷惑。
周りの女子からの冷たい視線がだんだん強くなっていく……。
心の中で一人嘆いていると、突然誰かに後ろにぐいっと引っ張られた。
「!?」
な、何!?
「うちのクラスの女子に手を出さないで下さいよ、兄さん」
灯真くんに向かってそんな言葉を吐いたのは………彪真くんだった。