危険男子
すると、傍を歩いていた女の子たちの会話が耳に入った。
「流石灯真様と彪真様。朝からかっこいいわ」
「けれど仲が悪いって噂でしょう?」
「会う度に喧嘩してるとかなんとか。でも喧嘩って言っても何故かかっこいいのよねぇ」
なんでもかっこいいんだなぁ………。
ふ、とあたしは気になったことがあった。
「………灯真くんと仲悪いの?」
「…………は?」
彪真くんがぴくりと反応して、あたしをじっと見つめた。
き、兄弟そろって美形ですね……。
ってあたし何聞いてんだろっ!!
「ご、ごめんっ!!気にしないで」
「…………仲悪そうに見える?」
「えっ!?」
まぁさっきの状態と会話を見たら誰でもそう思うと……。
あたしは素直にこくりと頷いた。
「へぇ、仲悪く見えるかぁ。やっぱり」
やっぱりってことは?
「仲悪いの?」
ってことだよね………?
しかし、彪真くんの答えは意外なもので
「ぶっぶー。はっずれー」