危険男子
「美央ー!!離してー!!」
ずるずる引きずられながら美央に訴えるあたし。
「だーめ。あんた逃げるでしょ?」
そうなんですがっ!!
まぁそうなんだけどねっ!!
せめてこんな拉致的な感じじゃなくて、こうもっと優しく……。
……………なんて美央には通用しないか。
あたしがしょぼくれながら美央に連れられていると、校門のところで女の子たちに囲まれている彪真くんが見えた。
げっ
っと思ったのも束の間。
あっちもあたしに気がついたらしく、口パクでこう言った。
ばらすなよ?