危険男子
さかのぼること数時間前。
昼休みの時のこと。
「成瀬さんっ!!」
「ひなきちゃん!!」
「ひなき!!」
「なーるーせーッッ!!」
……………あたしは学校中の女子に囲まれていた。
先輩たちも1年生の教室には滅多に来ないのに、数えきれないほど集まっていた。(むしろ先輩のほうが多い)
「な、何でしょうか?」
理由はわかってます。
わかってますけどあえて聞き返してみるあたし。
すると、集まった女の子たちがキッと一斉にあたしに視線を向けた。
「なんで朝、桜井兄弟と一緒にいたの!?」
や、やっぱり……。
どんどん端に追いやられ、威圧感から小さくなっていくあたし。
キョロキョロと周りに助けを求めた。
が、生憎美央は委員会。
彪真くんもいない。
クラスの女子もほとんどは好奇心からかあたしの周りを先輩たちと一緒に囲んでいた。
こ、怖いっ………!!