危険男子

流石の無防備緋那姫ちゃんも警戒しだしたらしく、リビングのドアに向かってダッシュで逃げて行った。



「と、とにかくっ!!迷惑かけないでくださいっ!!」



そう言ってわざとではないけれどドアをおもいっきり閉めた。

案の定大きな音がしたんだけどね。















────…………。


「あーぁ。ひなちゃん逃げちゃった」

残念そうに口を尖らせながら言う灯真。



「………ﾌﾝ。自業自得だろ」

そういう梓真も少し残念そうに緋那姫の出ていったドアを見つめていた。



「けど梓もひなに手出そうとしてるわけ？」

彪真はむすっとしながら梓真に聞いた。




「………別に。オレの勝手だろ」


そう小さく呟きくと梓真は、立ち上がり、リビングを出ていった。



「あららー。梓真くん不機嫌ー」

灯真が言う。


しかし、さっきの顔とはまるっきり違う。
こんなに短時間に変わるものか、というくらいの笑顔だ。



どうやらこの状況を楽しんでるらしい。



すると、ﾌｯと彪真も呆れたように笑みをこぼした。








………兄弟全員が緋那姫を狙っているこの状況を楽しんでいた。