危険男子
黄色い声は波のように伝わり、教室の中も一気に騒がしくなる。
毎朝おんなじ。
朝に限らずいつもあの変態兄弟の1人が廊下を通る度に聞こえる声。
………あたしの要注意人物その1が来たみたい。
「おはよう」
爽やかすぎるくらいのあいさつが鼓膜に響いた。
あたしは黄色い声を防ぐために、耳を塞いでそっと顔を上げた。
見ると、今日もまた女の子に囲まれた学園王子、桜井彪真。
表爽やか王子スマイルを浮かべ、まだドアのところに立っていた(単に身動きが取れないらしい)。
………なんであんなにモテるのかなぁ?