危険男子
…………何故か、嫌な予感がする。
美央もそれを察知したのか、いつのまにかあたしから数メートル離れたところに立っていた。
「み、美央ー」
あたしが美央に近づこうとすると……、
「おはよう、成瀬」
彪真くんに阻止された。
あたしと美央の間(と言っても相当ある)に入り、にこやかな表スマイルを浮かべている。
や、やばい……。
美央のほうをちらっと見ると
『頑張れっ』
と目で語っているのがわかった。
きっと『女子を敵に回さないように頑張れ』ということだろうと直感で感じる。
そしてもう1つ。
あたしが直感で感じたのは、彪真くんがあたしが昨日散々言ったあたしにとって迷惑極まりないこの状況を、楽しんでるということだった。