危険男子
「お、おはよう……ございます……?」
恐る恐る挨拶を返してみる。
あわあわとかなり焦って周りをキョロキョロ見ているので、周りには挙動不審に思われているに違いない。(もしくは敵意を向けられている)
彪真くんはそんなあたしを見て、少し顔を歪めながら、けどいつもの王子スマイルで、口を開いた。
「どうしたの?いつもより元気ないね?何かあった?」
ざわっ
周りの空気が揺れたのは当たり前。
学校王子様な彪真くんが、あたしなんかという大したことない女の子に、平然と普通に、しかも「いつも」なんて単語出して話したら、ざわつくのは当たり前。
しかもこの男、「いつもより」を強調しやがった……!!
「嫌だなぁ、彪真くん。あたしのいつもなんて知らないでしょう?」
きっと顔が青ざめているか、微妙な笑顔になっているだろう。
けれど、なんとか平静を装って話しかけてみた。
…………のが間違いだった。