A GAME

室井先輩というのは
一つ上の先輩である。
学校で何回か
すれ違っているので
顔は想像できる。


噂によればガラの悪い
人たちとつるんでおり
学校も午後から遅刻して
くるような…
いわば不良グループの一人だ。


もちろん私はそんな
グループとはまったく
といっていいほど
関わりがない。

どちらかと言えば
そのような不良たちは
関わらず、避けている
ような人間だ。


頭をフルに回転
させた結果"なんで?"
と言う疑問が芽生えた。


「室井先輩が私のメアドを欲しがってるの?」

すると姫は呆れたような
口をあけ、さらに小さく
ため息をはきながら
つぶやいた。


「確かに美紗は可愛いよ?でも世の中の男がみんな
あんたのこと好きになる
とか勘違いすんなよ!」

太陽の暑さのせいか
姫は完全にキレている。


「そんなこと思ってな----」
「思ってる!
でも残念ながら今回は
そうゆう意味じゃないんだよ。
室井先輩たちもうすぐ卒業じゃん?
だから後輩に友達が欲しいんだってさ。
みんな聞かれてるよ。
私も聞かれたしさ」

語尾に"あんただけじゃないんだよ"
と付け足して姫は
満足そうに鼻をならした。
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