運命

優太との再会

始業式

そして、一年間が過ぎた

あっという間に高校３年になった。

「やったー、花憐！同じクラスになったよ」

凄くテンションの高い鈴子がぴょんぴょん飛び跳ねながら私に話しかけた
縁があるのか、３年間同じクラスになった。しかし、私は素直によ喜べずにいた・・・

それは、鈴子には同じ高校で同級生の彼氏がいる。
その人も同じクラスだから・・・

その人の名前は、斉藤　卓<サイトウタク>
性格は、穏やかで爽やか男子
その人とは、何度か会ったことがあり、仲良くなり友達になった

「鈴子！今年は同じクラスだな！あっ花憐ちゃんとも同じクラスだね。よろしく」
そうこの男子が斉藤卓。

「うん。よろしくね」
私は軽くお辞儀をした

鈴子が羨ましかった・・・
斉藤卓は私が以前、優太と付き合う前から鈴子の隣にいたから・・・
二人は、凄く幸せそうな顔をして笑いながら会話をしている。
私はそれを見るのがえ辛かった。悔しかった・・私だって・・

「花憐っどうしたの？大丈夫？」
この声で私は我に返った。
二人は心配な顔をしていた

「あっううん。大丈夫だよ・・じゃあ先に教室に行くね」
そう言って、私は校舎の方へ歩き出していた。そのとき、突然二人が私に向かって声を揃えて行った。

「待って！そっちには行っちゃダメ！」
私は訳も解らず聞こえないフリをして歩き続けた
けど二人は、歩き続ける私の腕を掴んでダメと言い続ける

私は二人に負けじと
「何で、ダメなの？意味解らないよ。」

「それは・・けど、とにかくダメなの！」
二人は、困った顔で私の質問に答えた。そして、諦めたように腕を掴んでいたのを離した

私は、腕を離された衝撃で不意によろけて前に押された。
「えっ」
見てしまった・・・・
二人が私を足止めした訳が解った

それは、雄太が見知らぬ女子と楽しそうに話していた
私と付き合っていた時には、見たことが無い満面の笑顔で・・・

ショックと悲しみが込み上げた
「私には、そんな笑顔見せてくれなかった・・」
私はとにかくその場から早く離れたい・・・
でも体が・・動かない。