いちご牛乳。
「しないかもしれない」という僕の言葉に、智紀は心底驚いたらしい。

言うのは簡単だ。
ただ、好きだよって。
僕は真剣に好きだし、そういう事を恥ずかしいとも思わない。

「相変わらず読めない奴だな。そんなに好きならお前なら行動しそうなもんだけど」
智紀は言う。

「今はする気はないよ。タイミングじゃない気がする」
好きだけど、何か違和感を感じてる。ぴぴぴって僕の中に警戒音が鳴ってるんだ。

「まぁ、青の恋愛だし、口は出さないけどな」

けど、いつでも相談に乗ると言ってくれた。

智紀はいい奴だ。
尊敬もしている。いつも馬鹿ばっかりやってるけど、ここぞという時にはしっかり僕という人間を受け止めてくれる。

「好きだよ」

と智紀に言ったら

「気色悪いから止めてくれ」

とおもいっきり嫌な顔をされた。
僕は笑って、手をぱたぱた振りながら

「そういう意味じゃなくて、ありがたいって意味だよ」
と伝えといた。

そして遠くを見つめた。
彼女を想った。
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