君と僕を繋ぐもの~絆 次世代編~
龍生はびっくりしていた。
父親はエスパーかと
思うほど的確に
龍生の気持ちを
当てて見せた。
「何で解るの?」
「バカ、俺は父親だぞ?
子供の考えてること
読めなくてどうする?」
「…母さんは、読めなかった。
読もうともしなかった。
ただ頭ごなしに怒鳴って、
俺がいい子だと
信じてたとか言って…」
「そんな事言ったのか。
全く、しょうがないな。」
「俺はそんないい子に
なろうとかなりたいとか
思った事なんか無い。
人に誉められようと
勉強頑張ってる
訳でもない。
人に認められたい
訳でもない。
ただ、普通でいたい
だけなのに…。」
龍生は言いながら
涙を流していた。
父親はそんな龍生を
黙ってそっと抱き締めて、
そのまま泣かせた。
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