スノー・ラヴァーズ
Cheka〈チェカ〉
*道化師*
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「ね、テントがあるよ!!」
街のど真ん中。
テントを見付けて騒ぐドロップ。
「見に行こうよ!!」
と言って一人走っていく。
しぶしぶ二人も着いていった。
テントに近づくと、まだ開演前。
そんな三人を土産屋だけは出迎えた。
「いらっしゃいませ。申し訳ございません。本日はまだ開演しておりません。お土産ならございます。」
出迎えたピエロは丁寧に答える。
「みやげかぁ…。」
ドロップは少しガッカリしながら眺め見る。
「道化師ばかりだな…。」
上から覗いたフォールが呟く。
「道化師?」
聞き慣れない単語に首を傾げる。
「ドロップ知らない?…ほら、フォールが難しく言うから。」
「悪かったな…。」
「ピエロのことだよ。ピエロならドロップも解るかな?」
「あ、この赤い鼻の笑ってるやつだよね?」
「そうそう。」
「みんな笑ってるんだねー。」
「道化師は楽しくなくても哀しくても怒ってても笑うしかないんだよ。」
「え…?」
あんまり楽しそうに眺めるドロップにフォールはつい、付け加えてしまう。
いつも要らないことまで伝えてしまう。
伝えなければならないことは言えないのに…。
それを聞いたドロップから笑顔が消える。
「…笑ってなきゃいけないんだ。」
そう呟いて、今度は哀しそうに、道化師に視線を落とす。
「そんなことはないんですよ?」
哀しそうなドロップに一言、土産屋のレジにいた道化師が声をかける。
「道化師だって笑っても泣いても怒ってもいいんです。ただ、一緒にいる人を楽しませることが出来ればいいんです。」
そう笑顔で付け加えた。
「そうなんだ…。」
それならいくらかは辛くないのかな…とドロップは思った。
それから三人はたくさんの道化師を何かそれぞれ考えながら眺めていた…