スノー・ラヴァーズ


三人が連れて来られた所は水の上だった。
正しく言えば、湖があり、その真ん中に大きな木がある。

二人は気にせずに湖の上を歩き出した。

「……。」

「リム、湖って歩けないよね…。」

「普通はね…。」

それを見て思わず戸惑う三人。
当たり前の事ながら色んな道を来たけれど、湖の上を歩けた記憶はなかった。

立ち止まる三人に気が付いたレイと呼ばれた女性は笑いながら、三人に声をかけた。

「大丈夫。貴女達はこの湖の上、歩けるから。」

「……。」

大丈夫と言われても…と言いたいのを飲み込み、最初にドロップが一歩踏み出した。

「あ、ホントだ…。」

ドロップは彼女達のように湖の上に立っていた。

「すごーい。」

「ふふ。"水"の力を使って私が作ったからね。さ、来て。」

ドロップの子どものような様子に思わずレイは笑う。

リムとフォールも"水"の力の事を考えながら一歩踏み出した。


そして、言われるままに全員、木の中へと進んでいった。



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