スノー・ラヴァーズ


(…何で皆木なんだろう…。)

思わずドロップは考えていた。
木の中はやっぱり、リムやフォールの家のように柔らかいお日様の光や綺麗な空気、ちゃんと中は広く作られていた。

「三人ともお茶を淹れたらからどうぞ。」

気が付けば、真ん中の大きな机にお茶が並べてあった。

「ありがとうございます。」

三人はそれぞれ席に着き、それを見てレイは話し始めた。

「まずは自己紹介をするわね。私はレイ。"水"の力を使う。本当は雨〈ムフラ〉なのだけれど…水〈メイ〉がいないから力を兼任してるわ。」

レイはニッコリ笑い、今度は銀色の髪の彼を見た。

「彼はイオン。石〈リブウェ〉の力を持ってるの。だから彼の力で作る剣はすごく強いわ。」

「レイ、その話はいい…。」

少し自慢げに語るレイをイオンは諫めた。

「ちょっとくらいいいじゃない…。」

不服そうに呟いて彼女はドロップ達を見た。

「貴女達も名前、教えてくれる?」

三人はそれぞれの思考を巡らせていた。

今、彼女の口から出た言葉。

雨〈ムフラ〉の力や、石〈リブウェ〉の力、三人とも聞いた事がない…いや、正確に言えば、あの夢の中では聞き覚えのある力だった。
確かにあの夢の通りならば…今まで起きた洪水やこの湖、彼の剣についても説明する事が出来るだろう。



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