スノー・ラヴァーズ
全員が部屋に戻った頃。
フォールの部屋にイオンが訪ねて来た。
「話がある。」
「……。」
レイはよく喋る。
イオンはずっと黙っていただけだった。
フォールは少し警戒しながらもイオンを部屋へ招いた。
「彼女は気付いていないが…お前がオータムなのだろう?」
「………。」
フォールはイオンの言葉に驚いたが、あくまで冷静を装って答えた。
「だとしたらなんだ。」
彼らは多くの事を知っていた。
どうせ嘘をついてもバレるだろう。
けれどフォールは違うとも、そうだとも、まだ答えたくはなかった。
「警戒しなくていい。ただ…お前達は必ず惹かれ合うんだな、と思っただけだ。」
イオンは、フォールの考えが解るのか、少し笑いながら答えた。
「別に、惹かれてはない…。」
確かにオータムはノアを大切に想っていた。
けれど、フォールは危なっかしいドロップが心配なだけで、惹かれているわけでは無い。
そう考えて否定した。
「素直じゃないな。」
フォールの言葉にイオンはまた少し笑った。