スノー・ラヴァーズ
もちろん、偶然かもしれない。
この村の建物が昔のままだからそう見えたのかもしれない。
子どもはどんな子どもでも基本的には同じような行動をとる事はある。
(だけど…偶然ではなかったら…?)
ドロップは戸惑っていた。
何度か…フォールとオータムを間違えた事はある。
彼らは仕草やふとした表情が似ている。
それでもフォールは石を持ってはいない。
いや、持っている人を知っていると言っていただけだが、きっと嘘はついていないとドロップは思っていた。
けれど…。
もし、それは嘘で、フォールが彼ならば…?
本当はフォールが石を、ブロッサム・ラヴァ―ズを持っているとすれば…?
ドロップは彼を止めなければならない。
きっとフォールがオータムならば、彼と同じ事をする。
オータムは最後を知らない。
自分のした事が正しいのだと想ったままのはずだ。
彼と同じ事をされたのではドロップの願いは叶わない。
ドロップはもう誰も哀しませない、そう誓っていた。