スノー・ラヴァーズ
∞大切な人の為?∞
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「人を想うってどんな気持ちなんだろう…?」
本を読んでいたドロップは呟く。
手の中の本には人魚が描かれている。
「自分がいなくても大切な人が幸せならって想うこと?そんなの違う。」
自問自答。
そのドロップの自問自答を聞いていたのか、それまで本を読んでいたフォールが口を開く。
「そんなの…人によってなんじゃないか?」
「…じゃあ、フォールは大切な人を助けたら自分はどうなってもいいと想うの?」
「………。」
「そんなの絶対違う。」
あまりにも真剣なドロップにフォールは言葉をなくす。
「…その場に遭遇したらきっとドロップも自分の事は二の次になるよ。」
そんな二人を見て出かけていたはずのリムが突然声をかける。
「…あ、おかえり。…でも私はしないよ、絶対。」
確かめるように、強く、ハッキリとドロップは言う。
「自分を犠牲にして大切な人を助けても、必ず大切な人が苦しむから。だからしない。」
「…じゃあ助けないのか?俺は…助ける。」
キッパリと言ったドロップにフォールは言う。
助ける助けないなんて言い合いになってしまう。
そんなことは解っていても、どちらも曲げられない。
だから。
繰り返してしまうかもしれない。
あの哀しみが。