スノー・ラヴァーズ
Lia〈リア〉
+空の泣く理由+
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「どーして空は泣くんだと思う?」
突然彼女は呟いた。
「もう何日も何日も泣いてる…どーしてだと思う?」
確かに、ここ何日も降り続いている。
「さぁな。」
彼は答えに困ってヒトコト言った。
「どーしてだろう…。」
彼女はまた、そう呟きながら空を仰いだ。
雨の音だけが静かに響く。
「皆のために泣くんじゃないのか?」
「え?」
彼のいきなりの呟きに、彼女は少し考えてから、もう一度聴き直した。
「皆のため…?なんで…?」
彼は彼女を少し見て、雨に目を移し答えた。
「誰もがみんな、赤ん坊のように泣けるわけじゃないだろ?周りも心配するし、独りきりでも泣くのを我慢する奴もいる。そんな奴のために、代わりに泣くんじゃないのか?…泣いてもいいんだよって教えるために。」
彼女はまた考えながら呟く。
「教えるために…。」
彼女は空を仰いだ。
何かスッキリしたような顔をして、ただ落ちる雨を眺めていた…。