スノー・ラヴァーズ
―…コンコン。
ドロップが夢からまだ覚めきれないでいると、ノックがした。
「ドロップ?起きてる?」
「あ、うん。」
「フォールと買い物出てくるけど?行く?」
―…ガチャッ。
「行く。」
ドアを開けドロップは声の主に答えた。
笑顔でドロップを待ち構えていたのはリムだった。
彼は薄紫の短髪でいつもニコニコしている。
何を考えているのか解らないような笑顔の持ち主だ。
「あれ?フォールは?」
「先に外にいるよ。行こうか?」
リムとドロップが階段を降りるとフォールの黒い髪が見えた。
肩ぐらいまである綺麗な黒髪が束ねられ、イライラしているのか少し揺れている。
「遅い…。」
フォールは、いつもはあまり感情を出さないが今日はイライラしていた。
「さぁさぁ、行こう♪」
リムはフォールの機嫌などお構いなしに、ドロップを連れて宿の外に出る。
フォールも渋々あとを追った。