スノー・ラヴァーズ


そのまま夕御飯となった。
ドロップは森を一日中歩いていたのでいつもよりご飯を美味しく感じていた。


「あ、そういえば名前聞いてなかったね?僕はリム。君は?」

「…ドロップと言います。」

「ドロップか。ドロップは何でこんな森の中を?」

「…えと…人を探していて…。」

「人?どんな?」

「…え…と。」


いきなりの質問攻めにドロップは言葉をなくす。
リムと名乗った男はやたら笑顔で話すが、笑顔に裏がありそうな気がしてドロップは落ち着かなかった。


「…もしかして…それかな?」


彼はドロップの胸元にある白く光るペンダントを指した。


「…え?!」

「それと色違いを持ってる人…だよね?」

「…………。」


確かにドロップは対になる、もうひとつを探していた。
けれどペンダントの話はしていないし、普通ペンダントがペアかどうかなんて解りはしない。

ドロップは逃げるべきか考えていた。
ペアだと知っているということは¨石¨の神話について何か知っている人かもしれない。
そうなれば自分の身の安全は保障できないだろう。

ドロップの食べている手が思わず止まっていた。


「大丈夫。そんな警戒しなくても。占いで見ただけだから。」


言葉を失って警戒するドロップにリムは笑顔で言った。
しかも、今度の笑顔には裏が無いような、そんな気がした。
それでも安心は出来なかった。


「ブロッサム・ラヴァーズ…だっけ?もうひとつって。」

「………?!」
(…名前まで知ってる!!)


ドロップは思わず席を立ち上がった。


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