スノー・ラヴァーズ


普通の人が石の名前なんて知るはずも無い。
ドロップも名前を夢で知っただけで、見つけた神話には出てはいなかった。


「…あの、お手洗い借りてもいいですか?」

「え、あ、うん。あっちだよ。」


ドロップは逃げることを考えたが、突然逃げてはすぐ見つかる。
ベタな手ではあるがトイレから逃げることを考えた。


「はい、ここ。」

「ありがとうございます。」


―…バタンッ。


(…って!!窓無いじゃない!!どうしよう…。)

あたりを見回したが、トイレの中は特に何もなく…
とりあえず小さな抵抗としてドロップは壁を叩きはじめた。


(…開くわけないんだけど…。)

…ガンッ!!
「…え?!」


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