スノー・ラヴァーズ
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
「「ノア様ー!?」」
「またいない…!!」
「…怒られます!!」
「「ノア様ー!!??」」
青く情けない顔をした若者二人が城の外でノアを探していた。
彼らはノアが逃げ出さないように見張りをしていたのだが、ちょっとお茶の準備をした隙に彼女の姿は消えていた。
城の敷地内は広く、簡単に見つけられるはずもない。
「「ノア様ー??!!」」
ノアは部屋から1番近い木の上に隠れていた。
必死で探す彼らの姿も見えてはいたが、出て行く気はなかった。
「…お嫁になんていかないもの…。」
ノアは国王の一人娘。
美しい姫と噂され、近隣の国からパーティーの招待がたびたび届いていた。
大きな争いもない国だが、娘の心配をし過ぎる国王は早く素敵な人を…と娘を必ずパーティーに参加させていた。
ちょうど今日もその為のドレスの採寸をするところだった。
「どうかした?」
見張り二人が泣き出しそうな顔をしていると、一人の青年が彼らに声をかけた。
紫色の肩より長い髪に神官の衣装を纏う彼は不思議そうな顔で彼らを見た。
「トゥリイ様!」
「ノア様が!」
「またいないんだね。うーん…いついなくなったの?」
「お茶を用意する間に…。」
「お茶か…。うん。」
トゥリイと呼ばれる神官は何か閃いたように急に歩き出した。
「何かあるのだろうか…?」
「わかるんだろうか…?」
「「トゥリイ様ー?!」」
若者二人も慌ててトゥリイを追い掛けて行った。