スノー・ラヴァーズ
「何ここ…?」
上まで登り、木の枝に着くと木に丸いドアのような窓のようなものがあった。
思わず開けると広くはないが、中には机やらベッドやらが見える。
「さすがだね。扉見つけたのなら、中に入ってても良かったのに。」
「え…?」
ドロップが苦労して登ってきたはずの木。
すぐ追うとは言っていたが、縄はドロップが使っていたはずだった。
縄なしで登ってきたとしか考えられない速度だった。
(…何者なの?)
「さ、非常用だから狭いけど中へどうぞ。」
「………。」
*
中にはいると確かに広くはないが狭くもない。
ベッドと机があり棚がある。
机を少しずらせばベッドがもう一つは簡単に入りそうな部屋だった。
木の中だからだろうか。
いい木の香りがしていた。
空気穴だろうか。
隙間からサヤサヤと葉の音が聞こえて涼しい風が舞い込む。
「とりあえず、お茶にしようか?」
ドロップがボーッとしている間にリムはお茶の支度を終えていた。
机にはお菓子とお茶が並べてあった。