スノー・ラヴァーズ
「ま…というわけ。大丈夫。ドロップはちゃんとアイツの所まで連れていくから。」
場の空気を思ってか、リムは明るく笑顔でそう言った。
「詳しい人のところ?」
「そうそう。」
「うん…わかった。ありがとう…リム。」
「どう致しまして。」
笑顔で答えたリムは気付いているのだろうか?
ドロップは自分では気付いていないが、この時、初めてリムの名前を口にしていた。
「それじゃあ、今日はとりあえず休もうか?ドロップは上を使って。」
「ありがとう。おやすみなさい。」
ドロップはベッドの上に上がり布団についた。
木の香りと葉の音の中、眠りについていった。
***
「ドロップおはよう。」
「わっ…?!」
朝。
ベッドで寝ていたドロップの夢の中に突然声が響いた。
目を開けるとリムが目の前でフライパンとフライ返しを構えていた。
とてもいい目覚めとは言えない。
「あ。起きた。」
「おはよう…。」
「良かった。ご飯だよ。」
笑顔でそう言うと、少し残念そうにフライパンを降ろしていた。
(起きなかったらどうしてたんだろう……。)
ドロップは慌てて下に降りて行った。