スノー・ラヴァーズ
「あ、いたいた。久しぶり。」
不機嫌そうな男にリムは飛び切りの笑顔を向けた。
「…久しぶり…じゃない!!お前はいっつも人の睡眠邪魔しやがって!!今日は何だ!?いつもの夢か?!」
飛び切りの笑顔は効果もなく、男は怒りまくし立て、リムを怒鳴り付けた。
「やだなぁ。今日はお客さんいるのに。」
「は…?客……?」
けれど、リムは笑顔で男の怒りを交わしていた。
男は客と言われ、初めてリムの後ろにいたドロップに目を落とした。
彼は澄んだ黒い瞳で黒い服を着ていた。
「…リム?この子供は…?」
「な…。子供じゃないわよ!!」
確かにドロップは年齢の割には童顔で、昔から間違えられることもあった。
ドロップも気にはしていたが、治ることではない。
けれど初対面の男に言われては納得がいくはずもない。
思わずドロップは声を出していた。
「……?子供だろ?」
声を荒げたドロップを不機嫌そうに男は見下ろした。
「これでも16よ!!」
「え………。」
ドロップはさらに声を荒げ、抗議する。
確かに彼女は16には見えないだろう。
しかし失礼なことを言ったことには変わりない。
抗議を聞いた男は言葉を無くしていた。