スノー・ラヴァーズ
「俺は知らない。諦めるといい。」
続けて、冷たくドロップにも言い放つ。
今度はリムも助けられなかった。
その言葉に、今まで無言だったドロップは口を開いた。
「……。諦めることは出来ません。」
「なぜだ?会いたいだけだろう?どうするわけでもないんだろう?」
男はさらに攻めるように冷たく言い続けた。
「それでも譲れない。今は解らない…だけど、私にはきっとやらなきゃいけないことがある。」
ドロップの瞳はリムに話をした時のように強く、真剣だった。
その真っ直ぐな瞳に男は思わず攻めるのをやめていた。
小さな彼女のどこにこんなに強い意志があるのだろう?
その強い瞳は彼の夢に出てくる少女と同じだった…。
「…とりあえず今日は遅い。休んで行け。」
男は彼女の揺るぎない瞳に敵わなかった。
そういえば、昔から一度だって勝てたこともなかった。
…そう思いながら彼は二人を休めるところまで案内していた。