スノー・ラヴァーズ
いつもの森とは違う。
もちろん理由なんて解らなかった。
けれど。
声が聞こえた気がした。
ここには居ちゃいけない。
ドロップは早く戻ろうと頼まれた薬草を探し始めた。
早く帰りたいのに、今日頼まれたのは滅多に使わない珍しい薬草だった。
ドロップがやっと薬草を見つけた頃にはお日様が真上に見えた。
森とはいえ、中に入ってしまえばそんなに木も多くはない。
いつもお日様の位置は正確だった。
(……?)
お日様は真上にあるはずなのに。
その日は綺麗な青い空だったはずなのに。
空は紅く染まっていた。