スノー・ラヴァーズ
「な……!!」
「心配なら心配って言えばいいのに。」
抗議しようとしたフォールを無視してリムはニッコリ笑う。
「ねぇドロップ、俺達も心配だからついて行ってもいいかなぁ?」
「え…。でも…。」
「もちろんドロップさえ良ければだけど。」
戸惑うドロップに、リムは嫌とは言わせないような笑顔を向ける。
もちろんドロップにとって、リム達の気持ちは嬉しいものだった。
独りで行くと決めてはいたものの、ドロップには何の力もない。
前のように狙われてしまえば、逃げられるのかも解らない。
地理も解らないのに、どこに向かうかはスノー・ラヴァーズ次第。
あの夢だって本当の事かも解らない。
ドロップも本当は不安でいっぱいだった。
それに二人といると懐かしいような気がして…不思議と安心も出来た。
けれど…また狙われるかもしれない。
何も知らない人達を巻き込むわけには行かない…ドロップはそう思っていた。
それでも…
「二人がいいのなら…。」
本当になんとなく…
¨もう少しだけ一緒に居たい¨
そう思う自分もいた。
ドロップが伺うように二人を見ると、リムは嬉しそうに笑い、フォールもコクッと頷いたのが見えた。