スノー・ラヴァーズ
そんな会話をしながら、三人がちいさな店に入ると、モノが天井や壁、ワゴンに所狭しと並べられていた。
古そうな地図や羅針盤、怖い顔のお面、武器、天井から垂れ下がる謎の飾り、足元には本や石が山積み。
ドロップには見たことが無いものばかりだった。
(…何屋だ…ここは……。)
夢見が悪く、不機嫌だったフォールも思わず店の中を見渡す。
大地が揺れれば間違いなく崩れるだろう商品?は絶妙なバランスで並べられている。
「あ……っ!」
あまりのモノの数に、本来の目的を忘れかけていたドロップの目に、食べれそうなモノが映る。
ドロップ達が必要としている食べ物は、奥のワゴンに積まれていた。
「…ないのかと思った。」
フォールは思わずホッと息をつく。
そんなフォールを押しやって、リムはワゴンの前を陣取った。
「あるに決まってるよ。お店はここしかないんだから。」
だけどあって良かった…とリムは良品をニコニコと探し始める。
「……これ食えるのか?」
その横で、食べ物を目の前にして第一声。
別に不思議な形や色をしているわけではないのに、フォールは疑ってかかっていた。
「大丈夫じゃない?すみませーん!」
リムはフォールにザックリと答えて、どこにいるのか解らない店主を呼ぶべく、大声を上げた。