スノー・ラヴァーズ
しばらくして、奥から物音がすると、一人の優しそうなお爺さんが現れた。
「いらっしゃい。」
ドロップは店の雰囲気から、魔術に詳しそうなローブ姿のお婆さんが出てくるだろうと思っていた。
けれど、それは違った。
お爺さんの短い髪は元は綺麗な深緑だったのだろうか?
白髪に綺麗な深緑が混ざっている。
「これと、これと…これ。」
リムは手に持ったたくさんの食べ物を、次から次へとお爺さんに渡していく。
「あと…これとこれ。…で、これが最後。全部でおいくらですか?」
「ふむ…。そうだね…50ペサでどうだい?」
「……高いなぁ。ここ痛んでるし。」
「これ以上はまけられないな。」
値切り交渉に応じないお爺さんは、リムにも負けない笑顔を見せる。
リムも負けじと色々考えるが、なかなか思いつかなかった。
しばらく店主とリムは睨み…いや、お互い笑顔で戦っていた。
「リム、いいじゃない。十分安いよ。」
店内を散々見てきたドロップは、そんな二人の間へ急に割って入る。