スノー・ラヴァーズ
「ドロップ、そういうわけには行かないよ。」
リムはドロップにもニッコリと怖い笑顔を向けながら答える。
お爺さんもドロップの声に一度視線を向けた。
「……お前さんは…!!」
「え?」
ドロップが声に驚いてお爺さんを見ると、お爺さんは目を丸くしていた。
「…あの。何か?」
恐る恐るドロップが尋ねると、お爺さんは我に返ったようにドロップをもう一度見た。
「いや…すまない。彼女に似ていたものだから…。」
お爺さんはそう言って、恥ずかしそうに笑う。
「彼女………?」
ドロップが首を傾げると、お爺さんは笑顔を向けた。
「そんな顔もよく似ている。待っていてごらん。」
お爺さんはそのまま店の奥に姿を消した。
*
しばらくすると、お爺さんは古ぼけた掌より少し大きいくらいの本を手に戻ってきた。
「待たせたね。」
そう言って、ドロップ達の前で本を開き、一枚の絵が描かれた紙を取り出した。
「よく見てごらん。昔のお姫様だ。」
お爺さんの手元にある紙を見ると、そこにはふんわりとした髪の女の子が笑っていた。
(…これって………。)
ドロップは思わず声を失った。