スノー・ラヴァーズ
その絵に描かれていたお姫様はドロップが夢に見ている、あの¨ノア¨だった。
黙ったドロップを見て、お爺さんはニコリと笑う。
「あぁ、そうか。確かに髪型は似ていないから似てると言われても困るかな?けれど、お嬢さんの持つ空気が本当によく似ている。」
「「「………。」」」
三人は思わず、一瞬言葉を無くした。
それが¨彼女¨ならば、本当に似ているはずだろう。
「お爺さん、これどうしたんですか?」
しばらくして、不意に疑問に思ったリムは、それを言葉にした。
「あぁ、これかい?」
お爺さんは懐かしそうに眼を細める。
「これは、昔、書庫で見つけた本に挟んであったんだ。」
「本…?」
首を傾げたドロップに笑顔を見せながらお爺さんは続けた。
「あぁ。とても大事そうに、そっと入れてあってね。彼女に一目惚れして、本と一緒に貰ってきたんだ。」