スノー・ラヴァーズ


「…その本見せてもらってもいいですか?」

何か思いついたのか…

フォールがお爺さんに尋ねると、お爺さんは¨もちろん¨と笑い、先程絵が挟まれていた本をフォールに渡した。

けれども、三人が覗き込んだその本は古ぼけていて字が認識できないほどだった。

「読めないだろう?」

お爺さんの言葉にドロップとリムは頷くしかなかった。

「ここの言葉じゃないの?」

「みたいだね…。」

しかも字は霞んでいてほとんど読めない。

「…これじゃ手がかりにならないね。」

「うーん、確かに…。」

ドロップとリムがお爺さんに聴いている間も、フォールはマジマジと本を見つめた。

(……やっぱり。)

¨彼女¨の絵が大切そうに挟まれていたと聴いて、フォールはもしかして…と思ったていたが、やはり正確だった。
古ぼけて読めないけれど、裏表紙に小さくサインらしきものがある。
それは、¨彼¨の癖だった。
これは間違いなく、彼のものだ。


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