スノー・ラヴァーズ
「フォール??どうかしたの??」
マジマジと本を見つめ、会話に参加をして来ないフォールに気付き、ドロップが声をかけた。
「……いや、別に。」
「ホント?」
「あぁ。」
「ふぅん…。」
絶対何かがあるのに…。
フォールはいつもそうだった。
一人で考えている時は何も話してくれない。
時々、そんなところがドロップの夢に現れる¨彼¨に似ているようにも思えた。
「手がかりって…お嬢さん達は何か探しているのかい?」
そんなやり取りの間、お爺さんも考えていたのだろう。
突然、ふと、三人に投げかけていた。
「あ、えと………。」
急に声を掛けられてもドロップは思わず戸惑ってしまう。
悪い人じゃない。
そう思うのに。
最初にリムと追われた時から、少しずつ、考えるようになっていた。
「ちなみにその書庫はどこに…?」
悩むドロップを他所に、本をひとしきり読み終えたフォールは、お爺さんに別の質問を投げかけた。