スノー・ラヴァーズ
「お爺さん、お城の鍵は外せないんですか?」
ドロップの言葉に、またお爺さんは残念そうな顔をした。
「私も、実は色々試したんだがね。世界有数の鍵職人でも開けられなかったんだ。」
「…そんなに難しい鍵なんですか?」
誰も開けられない鍵なんて、聴いたことも、読んだこともない。
リムには信じられなかった。
「ただの鍵じゃないんだ。」
その声はお爺さんではなく、ドロップとリムの後ろから聴こえてきた。
「「フォール……??」」
「お爺さん、入口まで案内してもらえませんか?」
驚く二人を他所に、フォールが言うと、お爺さんは¨わかったよ¨と頷いた。
*
「ここだよ。」
外壁には蔦がたくさんあり、入口なんて見つけられないほどに埋まっていた。
「ここ?」
「入口なんて見当たらないよね…。」
蔦に埋まり中も見えない壁を前に、ドロップとリムは顔を合わせて首を傾げた。
「こっちだよ。」
そんな二人を置いて、お爺さんはドンドン先に進み、フォールは黙って後を追っていた。
「「…………。」」
ドロップとリムはそれを見て、また顔を見合わせ、慌てて追い掛けた。