スノー・ラヴァーズ


お爺さんとフォールは、1番蔦が生い茂っている壁の前に立ち止まっていた。

「ここが扉だよ。」

そこには蔦に隠れて小さな穴が二つ空いていて、それは鍵穴というよりは、ただの穴にも見えた。

「ここが鍵穴のはずなんだが…合う鍵もなくてね。たくさんの鍵職人も諦めたんだよ。」

「へぇ……。」

お爺さんの言葉にリムはマジマジと穴を見つめた。
どうみても、とてもそんなに難しい穴には見えない。

「蔦の壁は登れなかったの?なんかどこからでも入れそうだけど…。」

そう言いながらドロップが鍵穴のある壁以外に触れようとした瞬間、その手をフォールが止めた。

「…やめとけ。蔦に襲われるぞ。」

「え……?」

フォールの言葉にお爺さんは驚いた顔を見せた。

「君は…よく、知っているんだね。…そうなんだ。やめておきなさい。何人か帰らない人になったという噂もあるんだ。」

「……結構すごい蔦だな…。」

リムも思わず出しかけていた手を引っ込めた。

「開けれはしないが、見ることはできる。ゆっくり見ていくといいよ。」

¨それじゃあ¨と、道案内を終えたお爺さんは元の道を戻って行った。


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