スノー・ラヴァーズ
「…で?フォール、どうするの?」
「……。」
リムはフォールが何かを考えていることに、ずっと気付いていたのか、マジマジとフォールを見た。
確かにフォールには考えがあった。
けれど、予想していたものとの違いに、どうしたものかと悩んでいたのも事実だった。
「ねぇ、この穴って……コレに似てるよね?」
一人、扉とにらめっこしていたドロップは首にぶら下げているスノー・ラヴァーズを指した。
「「………。」」
「………あれ?あ…似てない?」
ドロップは無言の二人に、似ていると思ったのは自分だけだと思い、思わず苦笑いをした。
けれど。
形といい、大きさといい、ドロップにはピッタリはまるようにしか見えなかった。
それに、ココはあのお姫様のお城。
お姫様は夢の中でドロップと同じ、スノー・ラヴァーズを持っていた。
しかも、石はきっと二つ存在する。
穴の数は調度二つ。
偶然にしては状況が揃っていた。
「間違いないと思ったんだけどな…。」
ドロップは諦めきれないのか、スノー・ラヴァーズと鍵穴を交互に見つめた。