スノー・ラヴァーズ
+聴こえない歌+
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「歌が聞こえる?」
森の中を三人で歩く中。
不思議そうに彼女は言う。
「は?」
「歌?ドロップ、ここ森の中だよ?」
冷たいフォールの発言。
いつもドロップの味方のリムも今回ばかりはそう付け足す。
「でも聞こえる…。」
耳を澄ましても聞こえるのは森の声。
木の囁く音だけ。
「哀しい歌…。」
(…そういえば彼女には昔不思議な力があった…。)
リムは思い出していた。
夢で見るドロップの昔は風や森の囁き、水の流れ、色々なものを感じ取ることが出来る。
「幸せな歌が溢れればいーのに…」
そう言いながら彼女は歌いはじめた。
優しい唄。
誰かの何かの哀しみが癒えるように願いながら…