スノー・ラヴァーズ
お爺さんもドロップの行動に戸惑っていたが、二回目の質問には答えた。
「この前来たお客さんが言っていた。金髪の少女が持つ石には不思議な力があると。それさえあれば何でも願いが叶うと。…同じ雰囲気を持つ御嬢さんが首から下げているそれが石じゃないのかい?」
お爺さんは真っすぐにドロップを見た。
「そうだとしたら?」
ドロップは動じず、お爺さんに聞き返す。
「それを渡して欲しい。」
「手に入れてどうするの?願い事を叶えるの?」
「そうだとも。」
お爺さんは頷きながら、またドロップに近付く。
けれど、ドロップは下がらずに、ただ真っすぐお爺さんを見つめていた。
二人のやり取りをフォールとリムはいつでも戦えるよう武器に手を置いたまま見ていた。
「お爺さんの願い事はなあに?」
「…何だっていいだろう?さぁ、渡すんだ。」
お爺さんはついにドロップとのやり取りが面倒になったのか、ザックリと答え、まるで今にも身を乗り出しそうなくらい手を出した。
それでもドロップは下がらずにお爺さんを見つめた。
「お爺さん、この壁画、ちゃんと見た事ある?」
「???」
お爺さんはドロップの急な問いかけに首を傾げた。