(KK2)流線形のキセキ


 更に手を繋ぐということで、走りにくさは格段に上がる。

 足並みを揃えることも大切だが、向かう方向や狙う標的を瞬時にすり合わせなければ、捕まえるのは困難だ。


 子どもの頃仲の良い友人や同級生とやった友鬼と同じなのに、歳を重ねて取り組むことになった友鬼は、酷くやりにくかった。


 まだ馴染んでいない隊でやる友鬼は、気を使い、遠慮して、精神的に疲れてくるものだった。


 でも今あの頃の友達とやったからといって、あの頃みたいに朗らかにのびのびと駆け回れるだろうか。

 しがらみも何もなかったあの頃のように、何も考えずに友鬼に意識を集中させられるかと聞かれたら、曖昧に返すことしか出来ないというのもわかっていた。


 戦争が全てを塗り替えてしまったわけではないけれど、少なくとも戦争のせいで形が変わってしまったものは、風景だけではないと思っていた。


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