(KK2)流線形のキセキ
固唾をのんで見守る中、宿舎から一人の伝令が原田少佐に走りよった。
そして少佐は一枚の白い紙を受け取り、目を通したのち他の上官へと回した。
それと同時に四名の名を呼ぶ。
出撃命令だった。
自分の名が無かったのが残念でありながら、どこかしら安堵していた。
呼ばれなかったのは自分がまだ新人であるからだと慰める一方、安堵した自分の気持ちに理由をつけることは出来なくて、後ろめたさを感じた。
呼ばれた四名は一組となり、飛行場へと向かう。
他にもう一組選ばれ、彼らは有事に備えて飛行機待機となった。
それ以外の者は宿舎にて待機。
僕らは押し黙ったまま、宿舎へと急いだ。