(KK2)流線形のキセキ
既に到着していた三人の末席に整列すると、原田少佐が現れた。
敵機に関する事項などを確認し、僕らが無抵抗機となった“屍龍”に搭乗すると、誘導の旗が見えた。
湯川君、僕、野田、殿は武藤の順で離陸する。
迎撃のために列を整え、遥か遠くに見える敵機に向かって操縦捍を握り締める。
屍龍の性能を引き出しつつ、更にそれ以上の高度に上がらなければならない。
緊迫でじっとりと濡れた手の汗を拭う余裕さえなく、僕は懸命に、のし掛かる重力を耐えた。
あれに新型の爆弾が搭載されていたら、全てが終わってしまうかもしれない。
なんとしても、撃墜しなければ。