(KK2)流線形のキセキ


 敵機がこちらに気付いたのか、高度を上げてきた。


 屍龍の性能を越えつつあるこの状態では、機体が長くは持たないかもしれない。


 それでも引くわけにはいかない。

 必死に食らいついていく中、ふと思い出したのはあの雨の日。


 鬼ごっこをしたあの日、武藤に教えられたこと。

 湯川君の粘り。

 野田の懸命さ。


 策略や戦略を練ることで、事を有利に運べるのは、鬼ごっこも戦争も同じなのかもしれない。


 諦めずに進み、己に打ち克つことで、勝利できるのかもしれない。


 この広い大空をまんべんなく使って、敵機を追い詰めてやる。


 共に飛ぶ仲間は、友鬼の鬼なのだ。


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