(KK2)流線形のキセキ


 躊躇うことなく敵機に向かってぐいぐいと高度を上げる。


 湯川君たちと弾幕をすり抜け、すぐ目の前に敵機が迫った。


 脱出用の取っ手に手を掛ける。


 この空から見える景色を瞼に焼き付け、ぐいと力一杯それを引いた。



 何も知らない子どもたちが、防空壕などに隠ることなく、僕らが泥まみれになって鬼ごっこをしたように、安心して外で遊べる世の中になることを信じて、今。





「大日本帝国、万歳!」



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