(KK2)流線形のキセキ
ぷつりと途切れた意識に、抗うすべはなくて。
気が付いたら、見覚えのある白い景色に包まれていた。
宿舎の医務室だ。
がばと跳ね起きて、あちこち痛む身体に思わず悲鳴が洩れた。
「気が付いたか」
声の主を確かめることもせず、意識が飛ぶ前に見た最後の光景を叫んだ。
「落下傘が……!」
その言葉だけで瞬時に理解したらしい。
僕の顔を覗き込む、おどおどとした顔に、嫌な予感がした。
「野田……」